コアツール(APQP PPAP FMEA MSA SPC)

コアツール(Core Tool)とは
QS9000規格の中で提唱されていた旧米国ビッグ3(GM、Ford、Chrysler)によって策定された中核技法で、IATF 16949規格の条項の中でも要求されています。また、顧客固有要求事項(CSR)によっては、コアツールに対し何らかの事項が追加されている場合があります。

APQP(Advanced Product Quality Planning and Control Plan)
先行製品品質計画と呼ばれるプロジェクト管理手法のひとつです。これは新製品開発におけるプロセスフェーズを5段階でとりまとめたもので、それぞれのフェーズにおけるインプット及びアウトプットが規定され、それらを満たすことが必要になります。詳細につきましては、AIAG発行のAPQP Reference Manual(第2版)を参照願います。

FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)
「故障モード影響解析」と呼ばれるコアツールの中でも重要な位置づけになる技法です。2019年までAIAG発行のFMEA Reference Manual(第4版)に基づきご支援や解説セミナーを実施しておりましたが、2019年6月に「AIAG VDA FMEA Handbook」が発行され、以降はこのHandbookに基づくFMEA手法のご支援や解説セミナーをご提供しております。

1)DFMEA(Design FMEA)
製品設計で適用されるFMEAです。

2)PFMEA(Process FMEA)
物流を含む製造工程設計段階で適用されるFMEAです。

3)FMEA-MSR(Monitoring and System Response)
モニタリング及びシステム応答の補足FMEAという、ISO 26262の考え方を取り入れたフィールド的なFMEAです。

7ステップアプローチ
「AIAG VDA FMEA Handbook」では、従来になかった7ステップアプローチの考え方が個々のFMEAで採用されています。
ステップ1:計画と準備(5T)
ステップ2:構造分析
ステップ3:機能分析
ステップ4:故障分析
ステップ5:リスク評価(RPNにかわり、AP:Action Priorityでリスク評価)
ステップ6:最適化
ステップ7:結果の文書化

※AIAG VDA FMEAでは、COQ及びCOPQに関するパフォーマンス指標も重要な要素になります。

PPAP(Production Part Approval Process)
「生産部品承認プロセス」と呼ばれる手法で、APQPにおける量産試作(フェーズ4)の最終段階において、顧客との間で実生産(量産)に向けた生産部品承認の手続きにおける方法を規定しています。サービス部品を製造している場合、SPPAP(Service Production Part Approval Process)が適用されます。

MSA(Measurement System Analysis)
「測定システム解析」と呼ばれる技法で、測定に対する誤差を定量的に評価することを目的としています。

SPC(Statistical Process Control)
「統計的工程管理」と呼ばれる手法で、製造工程における”工程の声”を聞き出す方法・手法です。

※コアツールの適用は、アプリケーションソフトウエアを用いて実施されることが多くなってきました。現在、多種多様なメーカーから数多くのアプリケーションが提供されていますので、自組織に適したソフトウエアの選定を行い活用することで、複雑な計算におけるミスなどを防止し、実施時間の節約にもなります。

・弊社でご提供しているオンサイトセミナーについて
1)APQP解説
2)PPAP解説
3)AIAG VDA FMEA解説
 3-1)DFMEA解説
 3-2)PFMEA解説
 3-3)FMEA-MSR解説
4)MSA解説(休止中)
5)SPC解説(休止中)

関連する外部組織へのリンク
・ISO(International Organization for Standardization)
https://www.iso.org/home.html

・AIAG(Automotive Industry Action Group)
https://www.aiag.org

・VDA(Verband der Automobilindustrie e. V.)
https://www.vda.de/

・SAE International
https://www.sae.org

【日本国内の関連書籍販売】
・プレクサスジャパン(AIAG(CQI)関連書籍)
https://www.plexus.jp

・一般社団法人 中部産業連盟(VDA関連書籍)
https://www.chusanren.or.jp

・一般財団法人 日本規格協会(ISO、IEC、IATF規格など)
https://www.jsa.or.jp