第六節 測定、分析及び改善
(監視測定、分析及び改善)
第五十四条 製造業者等は、次に掲げる業務に必要な監視測定、分析及び改善に係る工程について、計画を策定(適用する試験検査等の方法(製品の抜き取り等に適用する統計学的方法を含む。)及び当該方法の適用の範囲の明確化を含む。)し、実施しなければならない。
一 製品の適合性を実証すること。
二 品質管理監督システムの適合性を確保し、実効性を維持すること。
【0330001】
54.第54条(監視測定、分析及び改善)(第80条において準用する場合を含む。)
(1)この条は、ISO13485:2003 の「8.1 Measurement, analysis and improvement− General」に相当するものであること。
(製品受領者の意見)
第五十五条 製造業者等は、品質管理監督システムの実施状況の監視測定の一環として、製造所が製品受領者要求事項に適合しているかどうかについての情報を監視しなければならない。
2 製造業者等は、前項の情報の入手及び活用に係る方法を明確にしなければならない。
3 製造業者等は、製品の品質に係る問題について、早期に警告を発するための製品受領者の意見収集の仕組みに係る手順書並びに是正措置及び予防措置に係る工程入力情報の提供に係る手順書を作成しなければならない。
4 製造業者等は、製造所からの製品の出荷後において得る知見の照査を、前項の意見収集の仕組みの一部としなければならない。
【0330001】
55.第55条(製品受領者の意見)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1)この条は、ISO13485:2003 の「8.2 Feedback」に相当するものであること。
(2)第3項の「製品の品質に係る問題」とは、製品の品質並びに製品の直接の容器及び直接の被包、外部の容器及び外部の被包、表示物等に係る問題をいうものであること。
(3)第3項の「製品受領者からの意見」は、製品を受領する製造業者や製造販売業者からの苦情等にとどまらず、次に掲げるものが含まれうるものであること。
ア. 製品受領者に対して行った調査
イ. 製品受領者からの苦情
ウ. 製品受領者要求事項
エ. 規制当局からの指摘
オ. サービス提供に係るデータ
(4)第3項の「早期に警告を発する」とは、製造業者等の内部において、情報を得てから迅速に措置が採られることをいうものであること。
(5)第3項の「意見収集の仕組み」とは、意見の内容(対象製品の名称、型式、包装形態及び試験検査単位番号、発生年月日、発生場所、申出者住所氏名、内容及び申出経緯)を把握し、原因究明(対象製品の調査(調査した市場名、流通状況、使用状況、受入先製造所の製造管理及び品質管理に関する状況等、試験検査記録の調査、製造記録の調査)を行い、原因究明の結果に基づく判定を行うものであること。
(内部監査)
第五十六条 製造業者等は、品質管理監督システムが次に掲げる要件に適合しているかどうかを明確にするために、あらかじめ定めた間隔で内部監査を実施しなければならない。
一 製品実現計画に定めた実施要領、この省令の規定及び当該品質管理監督システムに係る要求事項に適合していること。
二 実効性のある実施及び維持がなされていること。
2 製造業者等は、内部監査の対象となる工程及び領域の状態及び重要性、並びに従前の監督の結果を考慮して、内部監査実施計画を策定しなければならない。
3 製造業者等は、内部監査の判定基準、範囲、頻度及び方法を定めなければならない。
4 製造業者等は、内部監査を行う職員(以下「内部監査員」という。)の選定及び内部監査の実施においては、客観性及び公平性を確保しなければならない。
5 製造業者等は、内部監査員に自らの業務を内部監査させてはならない。
6 製造業者等は、内部監査実施計画の策定及び実施並びに内部監査結果の報告及び記録の保管について、その責任及び権限並びに要求事項を手順書の中で定めなければならない。
7 製造業者等は、内部監査された領域に責任を有する管理監督者に、発見された不適合及び当該不適合の原因を除去するための措置を遅滞なくとらせるとともに、当該措置の検証を行わせ、その結果を報告させなければならない。
【0330001】
56.第56条(内部監査)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1)この条は、ISO13485:2003 の「8.2.2 Internal audit」に相当するものであること。
(2)内部監査は、当該製造所において製品の製造管理及び品質管理が適切に行われているかを評価するために、その実効性も含め定期的に実施されていなければならないものであること。他方で以下のような目的のために特別な内部監査を必要に応じて実施すること。
ア. 組織変更や手順書の改訂など重大な変更がなされたとき
イ. 製品が不適合となる可能性が認められたとき
ウ. 是正措置が採られ、それが有効であったか検証の必要性があるとき
エ. その他
(3)第6項の「内部監査の結果の報告」は、見いだされた不適合と、それらに対する必要な是正措置等を指摘する書面の形式によるものであること。また、原則として内部監査での指摘事項への回答又は対応には適切な期限を設けること。
(4)内部監査の結果は、適切に伝達がなされ、必要なものについて適切に管理監督者照査に付されるようにすること。
(工程の監視測定)
第五十七条 製造業者等は、工程の監視測定を行う場合においては、当該工程の監視測定に見合う監視測定の方法を適用しなければならない。
2 製造業者等は、前項の監視測定の方法により、工程が第十四条第一項の計画に定めた結果を得ることができることを実証しなければならない。
3 製造業者等は、第十四条第一項の計画に定めた結果を得ることができない場合においては、製品の適合性を確保するために、修正及び是正措置を適切にとらなければならない。
【0330001】
57.第57条(工程の監視測定)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003 の「8.2.3 Monitoring and measurement of processes」に相当するものであること。
(2) この条は、第5条第2項第1号において明らかにされた工程により構成される品質管理監督システムが、第14条第1項の計画に定めた結果を得ることができることを実証するために、第5条第2項第3号の判定基準及び方法を用いて当該工程を監視測定することを定めているものであること。
(製品の監視測定)
第五十八条 製造業者等は、製品が製品要求事項に適合していることを検証するために、製品の特性を監視測定しなければならない。
2 製造業者等は、前項の監視測定を製品実現計画に定めた実施要領及び第四十条第一項第二号に規定する手順書に従って、製品実現に係る工程の適切な段階において実施しなければならない。
3 製造業者等は、製造出荷可否決定基準への適合性の証拠となる監視測定結果に係る記録等を作成し、これを保管しなければならない。
4 製造業者等は、工程の次の段階に進むことの許可及び製造所からの製品の出荷の可否の決定を行った者を特定する記録を作成し、これを保管しなければならない。
5 製造業者等は、製品実現計画に定めた実施要領に基づく監視測定を支障なく完了するまでは、工程の次の段階に進むことの許可、製造所からの製品の出荷の可否の決定及びサービス提供を行ってはならない。
【0330001】
58.第58条(製品の監視測定)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1)この条は、ISO13485:2003 の「8.2.4 Monitoring and measurement of product」に相当するものであること。
(2)この条の規定の趣旨は、規格等に適合しない製品等を次工程へ流してはならない、又は出荷を認めてはならないという趣旨であること。この観点から、製品標準書及び手順書を作成すること。また、出荷の可否の決定のされていない製品を出荷してはならないものであること。
(3)この条の規定を実施する上で、当該職員に外部試験検査機関等を利用して試験検査を行わせ、又は自己の責任で外部試験検査機関等へ試験検査を依頼し、この結果を判定する場合においては、当該試験の委託に関し必要な技術的条件及び検体の運搬時における品質管理の方法、連絡方法等を取り決めておくこと。
(特定医療機器に係る製品の監視測定)
第五十九条 製造業者等は、特定医療機器に係る製品について前条の監視測定を行った場合においては、試験検査業務を行った職員を特定する記録を作成し、これを保管しなければならない。
【0330001】
59.第59条(特定医療機器に係る製品の監視測定)関係
(1)この条は、ISO13485:2003 の「8.2.4.2 Particular requirements for active implantable medical devices and implantable medical devices」に相当するものであること。
(2)なお、特定医療機器に係る製品以外の製品について、追跡可能性を確保するための管理を行うことを妨げるものではないこと。
(不適合品の管理)
第六十条 製造業者等は、製品要求事項に適合しない製品(以下「不適合製品」という。)について、意図に反した使用若しくは操作又は製造所からの出荷を防ぐよう識別表示による区分がなされ、管理されているようにしなければならない。
2 製造業者等は、不適合製品の処理に係る管理及びそれに関連する責任及び権限を手順書に定めなければならない。
3 製造業者等は、次に掲げる方法のいずれかにより、不適合製品を処理しなければならない。
一 発見された不適合を除去するための措置を採ること。
二 特別採用の下で、使用若しくは操作の許可、工程の次の段階に進むことの許可又は製造所からの出荷の決定を行うこと。
三 本来の意図された使用若しくは操作又は適用ができないようにするための措置を採ること。
4 製造業者等は、法令の規定等に適合している場合においてのみ、特別採用による製造所からの製品の出荷がなされるようにしなければならない。
5 製造業者等は、不適合製品の特別採用を行った場合においては、当該特別採用を許可した職員を特定する記録を作成し、これを保管しなければならない。
6 製造業者等は、不適合の内容の記録及び当該不適合に対して採られた措置(特別採用を含む。)の記録を作成し、これを保管しなければならない。
7 製造業者等は、不適合製品に修正を行った場合においては、修正後の製品の製品要求事項への適合性を実証するための再検証を行わなければならない。
8 製造業者等は、受渡しの後又は使用若しくは操作がなされた後に不適合製品を発見した場合においては、その不適合による影響又は起こり得る影響に対して適切な措置を採らなければならない。
9 製造業者等は、その製品について、製造し直すことが必要な場合においては、工程について、元の作業指図書と同様の許可及び承認手続きにより新たな作業指図書を作成しなければならない。
10 製造業者等は、前項の許可及び承認を行うにあたり、あらかじめ、製造し直すことが製品に及ぼすあらゆる悪影響を明確にし、文書化しなければならない。
【0330001】
60.第60条(不適合製品の管理)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1)この条は、ISO13485:2003 の「8.3 Control of nonconforming product」に相当するものであること。
(2)不適合製品」とは、試験検査の結果、製品標準書において定められている規格等に対して不適合であると判定された製品、製造用物質及び構成部品等をいうものであること。同条については、表示内容に変更があった場合にも適用されること。この場合、当該表示に係る変更前の構成部品等について、すみやかに廃棄等必要な措置を講ずること。
(3)不適合製品が回収されたときは、回収原因の究明等のため、必要な措置がなされるまでの期間、第1項の規定に基づき、意図しない使用若しくは操作又は製造所からの出荷を防ぐよう適切な管理を行うこと。
(4)第3項及び第4項の規定に基づく特別採用の手続きを適正なものとするために、第2項の手順書の作成に当たっては、例えば該当する具体的な法令の規定等への適合の確認手続きを規定する等、遺漏無きようにすること。
(5)第10項の規定に関し、製造し直すことが製品に及ぼす悪影響がない場合においても、その旨を明確に文書化することが求められていること。
(6)第10項の文書化において、必ずしもそのための独立した文書を作成することを求めているものではなく、例えば新たに作成する作業指図書において適切に記載することでも足りるものであること。
(データの分析)
第六十一条 製造業者等は、品質管理監督システムが適切かつ実効性のあるものであることを実証するために、並びにその品質管理監督システムの実効性の改善の余地を評価するために、適切なデータ(監視測定の結果から得られたデータ及びそれ意外の関連情報源からのデータを含む。)を明確にし、収集し、分析するための手順書を作成しなければならない。
2 製造業者等は、前項のデータの分析により、次に掲げる事項に係る情報を得なければならない。
一 第五十五条第三項の規定により作成した手順書に基づき収集する製品受領者の意見
二 製品要求事項への適合性
三 工程及び製品の特性及び傾向(予防措置を行う端緒となるものを含む。)
四 購買物品の供給者等
3 製造業者等は、前二項のデータの分析の結果に係る記録を作成し、これを保管しなければならない。
【0330001】
61.第61条(データの分析)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1)この条は、ISO13485:2003 の「8.4 Analysis of data」に相当するものであること。
(2)この条に基づくデータ分析の結果は、管理監督者照査に付された際に適切な判断と措置を導くために、適切に整理すること。
(改善)
第六十二条 製造業者等は、その品質方針、品質目標、内部監査の結果、データの分析、是正措置、予防措置及び管理監督者照査の活用を通じて、品質管理監督システムの妥当性及び実効性を維持するために変更が必要な事項をすべて明らかにするとともに、当該変更を実施しなければならない。
2 製造業者等は、通知書の発行及び実施に係る手順書を作成し、当該手順を随時実施できるものとしなければならない。(製品受領者が主体的に通知書を発行し、実施する場合において、通知書の発行に必要な情報を製品受領者に提供するときは、この限りではない。)
3 製造業者等は、製品受領者の苦情について調査を行った場合においては、そのすべてに係る記録を作成し、これを保管しなければならない。
4 製造業者等は、前項の調査の結果、当該製造業者等以外の者による業務が製品受領者の苦情の一因であることが明らかになった場合においては、関連情報を関係する当該者との間で相互に伝達しなければならない。
5 製造業者等は、ある製品受領者の苦情について、それに基づく是正措置又は予防措置を行わないこととするときは、その理由について承認し、記録しなければならない。
6 製造業者等は、製品に関し、施行規則第二百五十三条第二項各号の事項を知った場合において当該事項を製品受領者に通知するための手順書を作成しなければならない。
【0330001】
62.第62条(改善)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1)この条は、ISO13485:2003 の「8.5.1 Improvement − General」に相当するものであること。
(2)「通知書」とは、第2条第24項に規定されているとおりであり、例えば回収を行う際に関係者に通知する文書が含まれうるものであること。
(3)第2項の「通知書の発行及び実施に係る手順書」においては、次に掲げる手順を含めるべきもであること。
ア.責任者が不在でもその手順が実施できるような管理体制
イ.是正措置の開始を決定する管理者のレベル、及び影響を受ける製品の特定方法
ウ.返品の処分。例えば手直し、再包装、廃棄を決定する仕組み
エ.連絡の仕組み
(4)通知書への記載事項には、次に掲げる事項が含まれるものであること。
ア. 当該製品に係る医療機器又は体外診断用医薬品の名称
イ. 当該製品に係る医療機器又は体外診断用医薬品のロット番号又は製造番号
ウ. 通知書を発行する理由
エ. 予想される危害又は講じるべき処置
(5)第3項の製品受領者の苦情についての調査は、第55条の規定も踏まえ適時適切に行うべきものであること。
(6)第6項の規定を踏まえ、製造業者等であっても、不具合に関する事項を知った場合において当該事項をその製品に係る製造販売業者等に通知するための手順書を作成し、適正に実施することが求められていること。
(是正措置)
第六十三条 製造業者等は、発見された不適合による影響に照らし、適切な是正措置を採らなければならない。
2 製造業者等は、次に掲げる要求事項を規定した是正措置手順書を作成しなければならない。
一 不適合(製品受領者の苦情を含む。)の照査
二 不適合の原因の明確化
三 不適合が再発しないことを確保するための措置の必要性の評価
四 所要の是正措置(文書の更新を含む。)の明確化及び実施
五 是正措置に関し調査を行った場合においては、その結果及び当該結果に基づき採った是正措置の結果の記録
六 採った是正措置及びその実効性についての照査
【0330001】
63.第63条(是正措置)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1) この条は、ISO13485:2003 の「8.5.2 Corrective action」に相当するものであること。
(2) 第2項第4号の「所要の是正措置の明確化」には、是正措置の実施責任者の特定、是正措置の実施時期と実施方法等が含まれうるものであること。
(3) 第2項第6号の是正措置の実効性についての照査には、採られた是正措置により新たなリスクがもたらされないかについての検証が含まれうるものであること。
(4) 是正措置を行う場合においては、可能な限り効果的なものとするために、問題となる製品の製品受領者の特定、影響を受ける可能性のある他の製品、工程等の調査、不適合の根本的な原因の把握等に努めるべきものであること。
(予防措置)
第六十四条 製造業者等は、起こり得る問題の影響に照らし、適切な予防措置を明確にし、採らなければならない。
2 製造業者等は、次に掲げる要求事項を定めた予防措置手順書を作成しなければならない。
一 起こり得る不適合及びその原因の明確化
二 予防措置の必要性の評価
三 所要の予防措置の明確化及び実施
四 予防措置に関し調査を行った場合においては、その結果及び当該結果に基づき採った予防措置の結果の記録
五 採った予防措置及びその実効性についての照査
【0330001】
64.第64条(予防措置)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1)この条は、ISO13485:2003 の「8.5.3 Preventive action」に相当するものであること。