第四節 資源の管理監督
(資源の確保)
第二十一条 製造業者等は、次に掲げる業務に必要な資源を明確にし、確保しなければならない。
一 品質管理監督システムを実施するとともに、その実効性を維持すること。
二 法令の規定等及び製品受領者要求事項に適合すること。
【0330001】
21.第21条(資源の確保)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1)この条は、ISO13485:2003 の「6.1 Provision of resources」に相当するものであること。
(2)ここでいう「資源」には、組織・人員、予算、情報、業務運営基盤、購買物品の供給者などが含まれうるものであること。
(3)品質管理監督システムの妥当性及び実効性の維持を確保するために必要な資源は、管理監督者照査の工程出力情報として得られるものであるが、その確保に係る責任は製造業者等にあること。
(職員)
第二十二条 製造業者等は、製品の品質に影響を及ぼす業務に従事する職員に、次に掲げる要件を満たしていることをもってその能力が実証された者を充てなければならない。
一 適切な教育訓練を受けていること。
二 所要の技能及び経験を有していること。
【0330001】
22.第22条(職員)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1)この条は、ISO13485:2003 の「6.2.1 Human resources - General」に相当するものであること。
(2)「職員」とは、製造作業及び品質管理に係る業務に従事する者のほか、これらを監督する者も含むものであること。
(教育訓練等)
第二十三条 製造業者等は、次に掲げる業務を行わなければならない。
一 製品の品質に影響を及ぼす業務に従事する職員にどのような能力が必要かを明確にすること。
二 職員の教育訓練の必要性を明らかにするための手順書を作成すること。
三 前号の手順書に従って明らかにした教育訓練の必要性を満たすために教育訓練その他の措置をとること。
四 前号の措置の実効性を評価すること。
五 職員が、品質目標の達成に向けて自らの業務の関連性及び重要性を認識するとともに、自らの貢献の方途を認識しているようにすること。
六 職員の教育訓練、技能及び経験について適切な記録を作成し、これを保管すること。
【0330001】
23.第23条(教育訓練等)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1)この条は、ISO13485:2003 の「6.2.2 Competence, awareness and training」に相当するものであること。
(2)例えば内部監査(第56条)や管理監督者照査(第18条)により職員に必要な能力とされたものについては、第1号の規定により明確化すべきものに含まれること。
(3)第3号の「その他の措置」には、例えば必要な能力を有する職員を新たに配属又は雇用することが含まれること。
(業務運営基盤)
第二十四条 製造業者等は、製品要求事項への適合の達成に必要な次に掲げる業務運営基盤を明確にし、保有し、維持しなければならない。ただし、当該製品要求事項の内容等から該当しないと認められる事項を除く。
一 作業所、作業室及びこれらに附属する水道その他の設備
二 工程に係る設備(ソフトウエアを含む。)
三 輸送、情報の伝達等製品を支援するサービス
2 製造業者等は、次の各号に掲げる製品を製造する場合においては、それぞれ当該各号に掲げる業務運営基盤を保有し、維持しなければならない。
一 防じん、防湿、防虫及び防その必要な製品防じん、防湿、防虫及び防そのための設備又は構造
二 製造工程において有毒ガスを取り扱う製品当該有毒ガスの処理に要する設備
三 液体状、ゾル状、ゲル状又は粉末状の製品(滅菌医療機器に係る製品を除く。)次に定めるところに適合する作業室
イ 当該作業室内の職員以外の者の通路とならないように造られていること。ただし、当該作業室の職員以外の者による製品等への汚染のおそれがない場合においては、この限りではない。
ロ 屋外に直接面する出入口(非常口を除く。)がないこと。ただし、屋外からの汚染を防止するのに必要な構造及び設備を有している場合においては、この限りではない。
ハ 出入口及び窓は閉鎖することができるものであること。
ニ 製造する製品の種類及び製造工程に応じ、じんあい又は微生物による汚染を防止するのに必要な構造及び設備を有していること。ただし、製造設備等の有する機能によりこれと同程度の効果を得られる場合においては、この限りではない。
ホ 室内に排水設備がある場合においては、作業室の汚染を防止するために必要な構造であること。
ヘ 製品の種類及び製造工程に応じ、必要な質及び量の製造用水を供給する設備を有すること。
3 製造業者等は、業務運営基盤の保守業務又はその欠如が製品の品質に影響を及ぼすおそれがある場合においては、当該保守業務に係る要求事項書(保守業務の頻度に係る要求事項を含む。)を作成しなければならない。
4 製造業者等は、業務運営基盤の保守業務に係る記録を作成した時には、これを保管しなければならない。
【0330001】
24.第24条(業務運営基盤)関係(第2項の規定を除き、第80条において準用する場合を含む。)
(1)第1項、第3項及び第4項は、ISO13485:2003 の「6.3 Infrastructure」に相当するものであること。
(2)第1項第1号の「これらに附属する水道その他の設備」とは、ISO13485:2003の「associated utilities」に相当するものであること。
(3)第2項は、製造所として全般的に要求する構造設備のうち、製造する製品により要否を判断する構造及び設備について規定されたものであり、製品に照らし合わせて構造設備の要否が判断されるものであること。
(4)第2項第3号ニに規定する「ただし、製造設備等の有する機能によりこれと同程度の効果を得られる場合」には、製造機械が閉鎖式設備であって、製造作業中に製品への汚染防止がなされている場合、及び作業室又は製造機械に設置した層流装置等によって製造作業中の製品の汚染防止がなされている場合が含まれるものであること。
(作業環境)
第二十五条 製造業者等は、製品を製品要求事項に適合させる上で必要な作業環境を明確にし、管理監督しなければならない。
2 製造業者等は、職員と製品等又は作業環境との接触が製品の品質に悪影響を及ぼすおそれがある場合においては、職員の健康状態、清浄の程度並びに作業衣、作業用のはき物、作業帽及び作業マスクに係る要求事項書を作成しなければならない。ただし、第四十一条第一項第一号又は第二号の規定により製品の清浄化が行われる場合において、当該清浄化工程よりも前の工程についてはこの限りではない。
3 製造業者等は、作業環境の条件が製品の品質に悪影響を及ぼすおそれがある場合においては、当該作業環境の条件に係る要求事項書を作成するとともに、当該作業環境の条件を監視し、管理するための手順書又は作業指図書を作成しなければならない。ただし、第四十一条第一項第一号又は第二号の規定により製品の清浄化が行われる場合において、当該清浄化工程よりも前の工程についてはこの限りではない。
4 製造業者等は、special(特殊な)作業環境の条件下で一時的に作業することが求められるすべての職員に、第二十三条第三号に規定する教育訓練を適切に受けさせなければならない。ただし、教育訓練を受けた職員に監督させる場合においては、この限りでない。
5 製造業者等は、他の方法によることが適切であることを文書により示すことができる場合を除き、他の製品等、作業環境又は職員の汚染を防止するために、汚染された又は汚染された可能性のある製品等の管理(第四十七条第三項に規定する識別表示による区分を含む。)に関する実施要領書を作成しなければならない。
【0330001】
25.第25条(作業環境)関係(第80条において準用する場合を含む。)
(1)この条は、ISO13485:2003 の「6.4 Work environment」に相当するものであること。
(2)「環境」には、次のものが含まれうること。
ア.温度、湿度及び圧力
イ.空気の清浄度
ウ.照明
エ.音及び振動
オ.水質
カ.当該作業環境下に存在する人の数
(3)第2項の職員の健康状態等に係る要求事項書、第3項の作業環境の条件に係る要求事項書については、必ずしも単独の文書を作成しなければならないという趣旨ではなく、文書化することを求めているものであり、製品標準書等に適宜規定、記載することで差し支えないこと。職員の衛生管理に係る要求事項書の具体的内容としては、職員の更衣等に関する事項、職員の健康状態の把握に関する事項、手洗い方法に関する事項等が挙げられること。作業環境の条件に係る要求事項書の具体的内容としては、清浄を確保すべき構造設備に関する事項、構造設備の清浄の間隔に関する事項、構造設備の清浄作業の手順に関する事項、構造設備の清浄の確認に関する事項等が挙げられること。
(4)作業環境条件によりその品質に悪影響が及ぶおそれのある製品には、次のものが含まれうること。
ア. 滅菌医療機器に係る製品
イ. 電子回路やソフトウェアが静電気放電に影響されやすい製品
(5)第4項の「特殊な作業環境」には、例えば、長時間さらされた場合に危険な温度に管理された室内、有害なガスに暴露される可能性のある場所等が含まれうること。
(6)第5項の「汚染された又は汚染された可能性のある製品等」には、例えば修理依頼のために返却された製品が含まれうるものであること。
(7)第5項の実施要領には、例えば、返却された製品としての特別な識別、身体に接触して使用される可能性のある製品等の特別な取扱い、特別な修理や手直し等が含まれうるものであること。