(注記)本項目における内容は、規格名称及び用語等を除いて弊社固有の解釈記述によるものです。無断利用、複写、転用、引用等は一切お断り申し上げます。

自動車部品製造サプライヤー企業・組織にとっては必須のマネジメントシステム
代表的な自動車業界の品質システム規格であるQS 9000(2006年12月に失効・消滅)は、米国BIG3を直接顧客とする自動車部品、材料の供給者に求められている固有の要求事項の規格でした。それに対して、ヨーロッパでも自動車各社がその供給者に要求するために開発した自動車規格が、VDA6.1(ドイツ規格)、EAQF(フランス規格)、AVSQ(イタリア規格)であり、それぞれに制定され運用されていましたが、それらの規格の統合を進めるための組織としてIATF(International Automotive Task Force:国際自動車タスクフォース)が結成され、統合された規格が1999年3月にISO/TS 16949:1999として発行されました。

2000年から世界共通規格としての審査登録が始まりましたが、ISO 9000'sの2000年改訂に沿って、ISO/TS 16949:2002として 2002年3月6日に第2版が発行されました。このISO/TS 16949:2002規格は、次世代のQS 9000に代わる自動車産業界の統一規格として承認され、米国BIG3をはじめとし、各国の自動車メーカ及びサプライヤー企業も企業間取引条件として、この規格への適用・適合を要求しています。日本国内においては一部の自動車メーカ及び数多くのサプライヤー組織各位様が、購買先(調達先)組織各位様に対して、ISO/TS 16949:2002規格による管理活動を要請しており、年々増加傾向にあります。TSとは「Technical Specification」を表しています。


ISO/TS 16949とは、どのような規格か
ISO/TS 16949規格は、ISO 9001規格に自動車業界固有の要求事項を追加して作成・制定された規格です。ISO 9001と同様に8つの大きな項目・要素から成り立ち、その各項目の中に追加要求事項があります。また、それに加えて「附属書A:コントロールプラン」が追加要求されている大変厳しい品質マネジメントシステム規格となっています。その概要は次のとおりです(序文は省略)。
1.Scope(適用範囲)
2.Normative reference(引用規格)
3.Terms and definitions(定義)
4.Quality management system(品質マネジメントシステム)
5.Management responsibility(経営者の責任)
6.Resource management(資源の運用管理)
7.Product realization(製品実現)
8.Measurement,analysis and improvement(測定、分析及び改善)
Annex A(normative) Control plan(付属書A(規定:要求事項)コントロールプラン)
(各項目をクリックして戴きますと、詳細な解説ページへ移動します。ISO 9001規格TS固有の要求事項を色分けで示します。)

※1.規格文書の正式な管理版原本はIATF・AIAG発行の文書です。
※2.「IATF Guidance to ISO/TS 16949:2002」文書も参照して下さい。

ISO/TS 16949の活動によって企業・組織が期待できる効果(抜粋)
(1)認証取得登録によって、国内及び海外の自動車産業界全体に認知されるために、グローバルな商取引が増大。
(2)異なる顧客に対応するために、複数の規格に適合する必要が無くなる。
(3)レベルが高い品質マネジメントシステム故に、企業体質の強化が図れる。
(4)あらゆるコストの削減(品質不良コスト、顧客クレームによるコストを含む)が出来る。
(5)顧客満足度の向上が図れる。
その他、多くのメリットがありますが、組織における本マネジメントシステムの形骸化は即座に認証登録抹消となる可能性がございますので注意が必要です。

厳しい審査登録条件
本規格を構築・認証取得しようとお考えの組織各位様は、下記の条件に適合することが要求されています。
・適用範囲
a)顧客規定の部品の製造及び/叉はサービスが行われている生産事業所であって、遠隔地等に所在するサポート部門(本社機構、設計開発部門、各営業所、流通部門、倉庫など)を適用除外することは出来ません。また、サポート部門だけでの認証取得は出来ません(必ず生産・製造部門を含むことが必要です)。場合によっては、貴社組織を含め、貴社関連会社や資本関係が存在するアウトソース組織を含めて適用しなければならない事態・状況が発生する場合がございます。特に、海外に事業所(事務所・工場)を展開しておられる組織各位様は要注意です。詳細につきましては弊社宛に御相談下さい。

b)本規格の適用はTier1(ティア・ワン)組織(自動車メーカ直下の第1次下請負組織)に限定されるものではなく、Tier2組織及びそれ以上のどの位置付けにある自動車部品製造サプライチェーン組織でも適用することが可能となっています。規格要求事項における適用除外が可能なのは、製品設計責任の無い組織における「7.3 設計・開発」だけであり、「製造工程設計」は適用除外することが出来ません。

c)組織は、顧客を特定の企業だけに限定(対象と)しての認証取得は出来ません。自動車製品・部品の取引先(納入先)が複数社ある場合には、そのすべての顧客企業に対応・確認することが要求されています。

既存のISO 9001品質マネジメントシステムに対して、単に要求事項を追加して構築すれば良いという考え方及び手法は通用しません。特に、海外を含む複数の事業所で個別(個々)にISO 9001を認証取得されておられる組織様は、ISO/TS 16949構築時に品質マネジメントシステムを統一しなければならない状況が発生する場合がございます。

・TS RULES-2からの抜粋(組織各位様に関係する部分の一部です)
(1)審査は、予備審査(オプション)、「Stage1(Readiness Review)」、「Stage2」の2段階で実施される。
(2)予備審査は1回だけに限定され、予備審査を行った審査員は「Stage1」以降の審査には参加出来ない。
(3)審査はプロセス単位で実施される(部門別ではない)。
(4)組織の内部監査もプロセスベースの監査方法が要求されている。
(5)供給者は最低限、ISO 9001認証取得(第三者認証)が要求されている。
(6)審査登録機関によるコンサルティングは禁止(コアツールのオンサイト・トレーニングも禁止)されている。
詳細な審査登録基準につきましては、IATF(AIAG)発行の「TS RULES-2: ISO/TS 16949:2002 Auto. Cert. Scheme-Rules」をご覧下さい。

審査登録機関について
ISO/TS16949の審査登録機関は、IATFに所属する各国のOB(Oversight Bodys(Bureau))に登録された審査登録機関(日本国内の支社も含む)だけが審査登録を行うことが出来ます。ISO 9001やISO 14001等の審査におけるJAB、UKAS、RvA等のような認定機関は存在・介入しません。

日本の自動車メーカはIATFに参加していないため、日本国内にOBが無く、日本は米国のOBであるIAOBの管轄下に置かれています。
組織の審査時にIATFの監督・監査官が同席し、審査登録機関の審査プロセスを監視することがありますが、受審組織各位様はそれを拒むことは出来ません。このような場合、組織各位様には何の関係・影響もありませんので、御心配は無用です。

IATF及びOBはISO/TS 16949審査登録機関及び審査員各位に対して、大変厳しい審査ルールを設定し、監視しています。審査登録機関側はそれらのルールから逸脱・違反した場合には、審査活動及び認証の停止処分を受ける場合が多々あり、過去にそのような事例も数多く見掛けております。

コアツール(Core-Tool)等の概要
自動車業界の固有要求事項として、コアツールと呼ばれる、下記の標準的な技法が定められており、その一部は、ISO/TS 16949規格の中でも要求事項となっております。
APQP(Advanced Product Quality Planning):先行製品品質計画
PPAP(Production Part Approval Process):生産(製造)部品承認プロセス
MSA (Measurement Systems Analysis):測定(計測)システム解析
FMEA(Failure Mode and Effects Analysis):故障モード影響解析
SPC
(Statistical Process Control):統計的工程管理
GD&T(Geometric dimensioning and tolerancing) :幾何学的寸法と許容誤差(ASME Y14シリーズ)
(各項目をクリックして戴きますと、詳細な解説ページ叉はリンク先へ移動します:只今、作成中の部分あり)

これらは標準的な技法であり、顧客(自動車メーカやサプライヤー等)個別に、これらの技法に追加要求された、及び/又は顧客固有のサプライヤーマニュアル(「技術仕様書」)があり、そちらが優先して適用(審査対象)されることになります。また、組織は、顧客個々の固有の要求事項に個別に対応することが要求されており、組織の供給者にも同様に適用しなければなりません。

組織における対応
ISO/TS 16949の登録審査を受けようとする組織各位は、次の文書や記録等を準備しておく必要があります。
(1)品質マニュアル等の文書一式(2次、3次などの内部文書や外部文書も含む)
(2)過去1年間の内部監査結果及びマネジメントレビューの活動結果
(3)内部監査員資格認定者リスト
(4)顧客固有要求事項の最新版文書(顧客及び製品単位に)
(5)顧客苦情の状況(不具合指示等を含む)
(6)過去1年間の組織の業務パフォーマンス(本規格に準拠していなくても、それなりのエビデンスがあれば可)
(7)その他(審査登録機関(OB)から提出を要請された文書など)

組織各位様におかれましては、構築計画から審査計画まで、綿密かつ詳細な計画を策定し、進捗に応じて更新しながら管理を実施する必要がございます(計画は最低でも2年間の期間を設定することを推奨致します)。本規格は適用範囲についても多くの規定があり、初期の計画時から弊社コンサルタントと共に活動を開始・実施されることを推奨致します。

半導体供給を行っている組織各位様
半導体等の電子デバイス類を供給している組織各位様は、AEC(Automotive Electronics Council)のサイトも参照願います。(トップページからAEC Documentsをクリックし、必要事項を記載すると各種資料が無料でダウンロード出来ます。)なお、AEC要求事項は「顧客固有の要求事項」であり、半導体関連製造組織各位様すべてに対して強制的に適用を要求されてはおりません。

車載搭載機器のソフトウエア開発組織各位様
顧客固有の要求事項によっては「Automotive SPICE」への適用が要求される場合がございます。

参考資料:正式版はAIAGのサイト(要ログイン有り)からダウンロードをお願いします。
(1)AIAG ISO/TS 16949:2002 Implementation Guide(pdf)
(2)AIAG (CQI-7T) ISO/TS 16949:2002 Process Identification Tool(zip)
(3)AIAG Compliance Connect Software(exe)
(4)2006 PPAP Manual 4thEdition Manual(pdf)
(5)2006 PFMEA Presentation(pdf)
(6)PPAP 4th Errata Sheet(pdf)

関連サイトの御案内(英文です)
AIAG:Automotive Industry Action Group(全米自動車産業協会)
IATF:International Automotive Task Force
QSU(認証取得登録企業の検索)
The American Association for Laboratory Accreditation (A2LA)
ASTM
SAE
AATCC(American Association of Textile Chemists and Colorists )
ASME(American Society Of Mechanical Engineers)
IHS JAPAN(工業規格・技術情報プロバイダ):日本語サイト 自動車関連規格はこちら
ANSI
IEEE
AWS(American Welding Society)
ESDU(Engineering Sciences Data Unit)
Automotive SPICE

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日本国内関連サイト
社団法人日本自動車工業会
社団法人自動車技術会(JASO規格)


弊社コンサルティングについて
ISO/TS 16949規格要求事項及び関連する要求事項等に従って、貴社組織固有の品質マネジメントシステムの構築を行い、活動しながら品質マネジメントシステムを改善し、より良い「ISO/TS 16949品質マネジメントシステム」の維持管理とそれらに基づいた活動方法をご提供させて戴きます。これからISO/TS 16949を構築しようとお考えの各位様はお気軽に「お問い合わせ」及び/又は「お見積もり」請求を下さるよう、重ねてお願い申し上げます。



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