管理図とは
QCやSQC活動等で既に御存知かと思われますが、管理図には大別して、次の2種類があります。
(1)計量値管理図(計量データ)
(2)計数値管理図(計数データ)
管理図には、管理の目標値とも言える中心値と、不良と判定される上下の管理限界値を設けて管理を行います。JISでは通常、上下の管理限界値に、サンプルの標準偏差σの3倍の値(3σ)を使用します。これは、管理外れの発生する確率が約0.3%、すなわち1000回のサンプルの内、管理外れが発生する回数が3回以内となるように管理することを意味します。参考規格として、JIS Z 9020「管理図」及びJIS Z 9021「シューハート管理図
」等があります。
計量値管理図
計量値管理図の作成には一般的に「Xbar-R管理図」を使用することになります。「Xbar-R管理図」を作成するには、製造工程におけるサンプル抜き取りを行い、「サンプルの計量値の平均値(Xbar)又は中央値メディアン」と「バラツキ範囲(R)又は標準偏差σ」を計算します。
計数値管理図
計数値管理を行う場合には、製造工程のサンプルの状態と統計的手法によって、次のような4種類の管理図を利用します。
管理図の種類 |
サンプル要素数 |
不適合 |
統計分布 |
np管理図 |
一定 |
不良数 |
二項分布 |
p管理図 |
可変 |
不良率 |
二項分布 |
c管理図 |
一定 |
欠点数 |
ポアソン分布 |
u管理図 |
可変 |
欠点数 |
ポアソン分布 |
異常判定ルール
SPCでは作成した管理図から、工程の品質が安定しているかどうかを判定する必要があります。サンプルが上下の管理限界を外れたという管理外れ状態の判定だけでなく、管理図から管理外れ発生の兆候を判定して、工程の異常原因追及のアクション(プロセス)を開始する必要があります。このために、JISでは次に掲げる8種類の管理図の異常判定ルールを定義しています。これらは、必ずしも全ての製造工程に当てはまるものではなく、基本の判定ルールと考える必要があります。もちろん、特定の製造工程には、工程特有の判定ルールを定める必要があります。JISの異常判定ルールでは、まず上下に3σずつある管理限界を、それぞれ1σ毎に6個の領域に分けます。中心値について対称に、上からA、B、C、C、B、Aとし、次のようなルールを定義しています。

ルール1:1点が領域Aを超えている
ルール2:9点が中心値に対して同じ側にある
ルール3:6点が増加、または減少している
ルール4:14の点が交互に増減している
ルール5:連続する3点中、2点が領域Aまたはそれを超えた領域にある
ルール6:連続する5点中、4点が領域Bまたはそれを超えた領域にある
ルール7:連続する15点が領域Cに存在する
ルール8:連続する8点が領域Cを超えた領域にある |
おまけ(工程能力指数:Cpkについて)
製造工程における品質安定度の目安としてCpk指数が用いられます。これは御存知のように、製品規格の幅(UCL-LCL)を6σで割った値で定義されます。
工程能力指数Cpkが1.0ということは、製品規格が6σとなり、1,000個の内3個の製品規格外れが発生することになるため、工程能力がぎりぎりであるということを認識することが出来ます。工程能力指数Cpkが1.0以下であると、工程能力が不足しており、なんらかの対策が必要であると言われています。一般的には、工程能力指数Cpkが1.33以上になると工程が安定していると判定されます。Cpk = 1.33 という値は、製品規格が8σになり、製品規格外れの発生する確立が100,000個に6個ということになります。この工程能力指数は顧客要求事項によってそれぞれ値が異なりますので、顧客固有の技術仕様書等を参照願います。
コアツール(Core-Tool)
APQP(Advanced Product Quality Planning):先行製品品質計画
PPAP(Production Part Approval Process):生産(製造)部品承認プロセス
MSA (Measurement Systems Analysis):測定(計測)システム解析
FMEA(Failure Mode and Effects Analysis):故障モード影響解析
SPC (Statistical Process Control):統計的工程管理(ここを閲覧しています)
(各項目をクリックして戴きますと、詳細な解説ページへ移動します)
これらは標準的な技法であり、顧客(自動車メーカやサプライヤー等)個別に、これらの技法に追加要求された、及び/又は顧客固有の「技術仕様書」があり、そちらが優先して適用(審査対象)されることになります。また、組織は、顧客個々の固有の要求事項に対応することが要求されており、組織の供給者すべてにも同様に適用しなければなりません。