(注記)本項目における内容は、規格名称及び用語等を除いて弊社固有の解釈記述によるものです。無断利用、複写、転用、引用等は一切お断り申し上げます。

FMEAとは
1960年代中期に航空産業において公式適用されたFMEA (Failure Mode Effect Analysis:故障モード影響解析)は信頼性予測技法のひとつであり、自動車産業界におけるコアツール及び/又はISO/TS 16949規格の中でも強制適用となっています。ここではDFMEA(設計・開発におけるFMEA)とPFMEA(製造工程におけるFMEA)について簡単に解説致します。

組織には、製品に対する設計・製造を継続的に改善する責務があり、それは「経営者のコミットメント」でも要求されています。そのような場合に、ここで示すFMEA活動を行い潜在的な不具合を明確にし、それらを除去するために活動することが最も重要となります。このようにFMEAは設計あるいは製造部門において「顧客満足」への達成を補うために実施する必須プロセスの一部です。


FMEAを実施する目的
・製品や工程の潜在的な故障とその影響を組織が認識して、評価する。
・潜在的故障の発生を削減出来る処置を明確化する。
・それらのプロセスを文書化し維持する。

FMEAの実際
・リスク優先番号である危険度指数(RPN)を把握する
RPNは影響度(S)、発生率(O)、検出率(D)のランクから次の式によって算出することが出来ます。

RPN=(S)X(O)X(D)

この算出された数値は、設計・開発上及び/叉は製造工程上における懸念課題項目の順位付けを行うために使用することを目的としており、RPNの値は通常1点から1,000点の間の数値となります。得られたRPN値が高い場合、組織で定めた責任部門は是正処置を行い、リスクの削減及び/叉は低減を実施することが必要となります。また、RPN値の数値如何に関わらず、影響度(S)が最初から高い場合には是正処置の検討を先に実施しておくべきでしょう。

DFMEA(設計FMEA)
(1)影響度(S)
・故障が発生した場合に、部品・システム・サブシステム叉は顧客に対する故障モードの影響の度合いを評価した内容。
・影響度合いに対してだけ評価する。
・影響度は1(影響無し)から10(前兆なく危険)のランクで評価する。
(2)発生率(O)
・特定の故障要因及び/叉は故障メカニズムの発生のしやすさを予測したもので、故障要因には「材料規格の不整合」「設計寿命の設定が不適切」「耐環境性能が不足」などがあり、故障メカニズムには「腐食」「磨耗」「疲労」などがある。
・発生率は数字そのものより、ランクに意義がある。
・故障要因や故障メカニズムの発生率は1(欠陥はほとんど発生しない)から10(欠陥発生は不可避)のランクで評価する。
・発生率は評価ランクであり、実際の発生率(%やppm)を反映したものでは無い。
・連続性確保のために、一貫した発生率ランクのシステムを使用する。
(3)検出率(D)
・検出率とは、部品・システム・サブシステムを生産のために設計する前に「故障要因」「故障メカニズム」「故障モード」を検出出来る可能性を評価したもの。
・検出率のランクは1(ほぼ確実に検出)から10(検出不可能)のランクで評価する。
・検出率ランクを低減させるには設計管理(欠陥予防、バリデーション、検証活動など)を常に改善すること。

注記:上記の各項目におけるランク表はここでは省略致します。なお、FMEAで作表する場合には次のカテゴリが必要になります。
(1)FMEA番号(トレーサビリティがとれるような記載が必要)
(2)製品・構成部品などの名称と番号
(3)設計(製造)責任部署名・設計(製造)責任者氏名・連絡先
(4)作成者及び連絡先
(5)部品名称及び/叉は該当する製品名
(6)日付及び第1回目のFMEA締め切り日
(7)FMEA実施日
(8)FMEAに関係した責任者と所属部署名

ここからは作表の項目内容として
(9)項目及び機能
(10)潜在的故障モード要素・部位
(11)故障の潜在的な影響
(12)影響度(S)・評価基準
(13)重要度や特殊特性分類
(14)故障原因/故障メカニズム
(15)発生率(O)・評価基準
(16)設計(製造)管理の状態・試験方法
(17)検出率(D)・評価基準
(18)RPN
(19)対策案・改善処置案
(20)実施日程及び担当者
(21)対策.改善効果
その中の要素項目として
(22)対策・改善方法
(23)再評価した影響度(S)
(24)再評価した発生率(O)
(25)再評価した検出率(D)
(26)再計算したRPNなど

PFMEA(工程FMEA)
(1)影響度(S)
・ 故障モードの顧客に対する影響の度合いを評価したもの。
・影響度合いに対してだけ評価する。
・影響度は1(影響無し)から10(前兆なく危険)までのランクで評価する。
・顧客とは、次工程・製品が次に移る場所・販売会社・ユーザのすべてを言う。
(2)発生率(O)
・特定の故障要因/故障メカニズムが発生すると予測される頻度。
・発生率はDFMEA同様、ランクに意義がある。
・発生率は1(欠陥はほとんど発生しない:Cpk=1.67以上)から10(欠陥発生はほぼ不可避:Cpk=0.33以下)のランクで評価する。
・故障モードに関する発生率だけがこのランクに対して考慮されている。故障の検出率は考慮していない。
・予測される欠陥率は、工程で発生すると予測される欠陥数に基づいて設定する。
・類似工程が利用可能な場合、統計データを使用して発生ランクを決定する。
(3)検出率(D)
・部品叉は構成部品の製造工程や組立工程を完了する前に「故障要因」「故障メカニズム」「故障モード」を検出する可能性を評価したもの。
・検出率のランクは、1(ほぼ確実)から10(ほとんど不可能)のランクで評価する。
・欠陥が発生することを前提として現在の工程管理能力を評価しておく。
・発生率が低いからと言う理由で、検出率も低いと勝手に想定/決定してはいけない。
・工程管理の能力を評価しておく。

注記:DFMEA同様、ランク表は省略します。なお、PFMEAの作表は上記DFMEAの内容を参照して下さい。PFMEAの実施については、工程全体のフロー及びリスク評価から開始することを推奨します。

コアツール(Core-Tool)
APQP(Advanced Product Quality Planning):先行製品品質計画
PPAP(Production Part Approval Process):生産(製造)部品承認プロセス
MSA (Measurement Systems Analysis):測定(計測)システム解析
FMEA(Failure Mode and Effects Analysis):故障モード影響解析(ここを閲覧しています)
SPC
(Statistical Process Control):統計的工程管理
(各項目をクリックして戴きますと、詳細な解説ページへ移動します)

これらは標準的な技法であり、顧客(自動車メーカやサプライヤー等)個別に、これらの技法に追加要求された、及び/又は顧客固有の「技術仕様書」があり、そちらが優先して適用(審査対象)されることになります。また、組織は、顧客個々の固有の要求事項に対応することが要求されており、組織の供給者すべてにも同様に適用しなければなりません。


弊社コンサルティングについて
ISO/TS 16949規格要求事項及び関連する要求事項等に従って、貴社組織固有の品質マネジメントシステムの構築を行い、活動しながら品質マネジメントシステムを改善し、より良い「ISO/TS 16949品質マネジメントシステム」の維持管理とそれらに基づいた活動方法をご提供させて戴きます。これからISO/TS 16949を構築しようとお考えの各位様はお気軽に「お問い合わせ」及び/又は「お見積もり」請求を下さるよう、重ねてお願い申し上げます。



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