(注記)本項目における内容は、規格名称及び用語等を除いて弊社固有の解釈記述によるものです。無断利用、複写、転用、引用等は一切お断り申し上げます。

8.測定、分析及び改善
8.1 一般
組織は、次の事項を満たすために必要となる監視、測定、分析及び改善のプロセスを計画し、実施することが要求されています。
a)製品の適合性を実証する
b)品質マネジメントシステムの適合性を確実にする
c)品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善する

これには、統計的手法(ISO/TR 10017)を含め、適用可能な方法及びその使用の程度を決定することを含めることが要求されています。

8.1.1 統計的ツールの明確化
各プロセスで用いる適切な統計的ツールは、先行品質計画時(APQP)に決定し、コントロールプランに含めることが要求されています。

IATF guidance
参照願います。

8.1.2 基本的統計概念の知識
バラツキ、管理(安定性)、工程能力及びオーバ・アジャストメントのような基本的統計概念は、組織の全体にわたって理解され、利用されることが要求されている。

IATF guidance
参照願います。

8.2 監視及び測定
8.2.1 顧客満足

組織は、品質マネジメントシステムの成果を含む実施状況の測定のひとつとして、顧客要求事項を満足しているかどうかに関して、顧客がどのように受けとめているかについての情報を監視することが要求されています。また、この情報の入手及び使用の方法を決めることが要求されています。

参考
組織内部の顧客(次工程はお客様)及び外部の顧客の両方に配慮することが望ましい。

8.2.1.1 顧客満足ー補足
顧客満足の補足事項として、次の要求がされている。
(1)製品実現プロセスのパフォーマンスの継続的評価を通じて、組織の顧客満足を監視すること。
(2)パフォーマンスの指標は客観的なデータによって裏付けられ、次の事項を含めること。(これらに限定されるものではない)
a)納入された製品の品質実績
b)市場からの返品を含む顧客が被った迷惑
c)納期実績(特輸経費発生不具合を含む)
d)品質又は納期問題に関する顧客からの通知
(3)製品品質及びプロセス効率の顧客要求事項に適合していることを証明するために、製造工程のパフォーマンスを監視すること。

IATF guidance
参照願います。

8.2.2 内部監査
品質マネジメントシステムに関する次の事項が満たされているかどうかを明確にするために、予め定められた間隔で内部監査を実施することが要求されています(詳細は、ISO 19011規格の最新版を参照願います)。
a)品質マネジメントシステムが、
・個別製品の実現の計画(7.1参照)に適合しているか?
・この規格(ISO 9001)の要求事項に適合しているか?
・組織が決めた品質マネジメントシステム要求事項に適合しているか?
b)品質マネジメントシステムが効果的に実施され、維持されているか?
c)監査の対象となるプロセス及び領域・区域の状態と重要性、並びにこれまでの監査結果を考慮して、監査プログラムを策定することが要求されています。
d)監査の基準、範囲、頻度及び方法を規定することが要求されています。
e)監査員の選定及び監査の実施においては、監査プロセスの客観性及び公平性を確保することが要求されています。
f)監査員は自らの仕事は監査しないことが要求されています。

監査の計画及び実施、結果の報告、記録の維持(4.2.4参照)に関する責任並びに要求事項を”文書化された手順(例:内部監査規定)”の中で規定することが要求されています。

監査された領域・区域に責任をもつ管理者は、発見された不適合及びその原因を除去するために遅滞なく処置がとられることを確実にすることが要求されています。また、処置実施後等のフォロアップ監査においては、とられた処置の検証及び検証結果の報告を含めることが要求されています(8.5.2参照)。

注記
ISO/TS 16949では、顧客指向プロセス(COP:Customer Oriented Process)アプローチに基づいたプロセス・アプローチ監査が絶対的に求められていますので御注意下さい。また、顧客固有の要求事項(LPA)にも配慮・注意が必要です。


8.2.2.1 品質マネジメントシステム監査
本TS規格及び追加された顧客固有の要求事項等、あらゆる品質マネジメントシステム要求事項に適合していることを検証するために、その品質マネジメントシステムを監査することが要求されている。

IATF guidance
参照願います。

8.2.2.2 製造工程監査
有効性を判定するために、個々の製造工程(アウトソース工程を含めて)を監査することが要求されている。

IATF guidance
参照願います。

8.2.2.3 製品監査
製品寸法、機能、包装、ラベリング等、すべての規定要求事項(顧客要求事項)への適合を検証するために、生産及び引き渡しの適切な段階で、定められた頻度によって製品を監査することが要求されている。

IATF guidance
参照願います。

8.2.2.4 内部監査の計画
(1)内部監査は、プロセス、活動及びシフト(直)に関連するすべての品質マネジメントを対象とし、年間計画に従って予定し実施されることが要求されている。
(2)内部/外部の不適合又は顧客からの苦情が発生した場合には、監査の頻度は適宜増やすことが要求されている。
(3)具体的なチェックリストを監査で使用することが望ましいと参考記載されている。

IATF guidance
参照願います。

8.2.2.5 内部監査員の資格認定
組織は、TSの要求事項及び顧客要求事項を監査する資格を付与された内部監査員をもつことが要求されている。

IATF guidance
参照願います。

8.2.3 プロセスの監視及び測定
組織は、品質マネジメントシステムのプロセス(活動)を適切な方法で監視し、適用可能な場合には、測定することが要求されています。この方法については、プロセスが計画どおりの結果を達成する能力があることを実証するものであること(実証出来る方法であること)が要求されています。計画どおりの結果が達成出来ない場合には、製品の適合性の保証のために、適宜、修正及び是正処置をとることが要求されています。

8.2.3.1 製造工程の監視及び測定【重要】
(1)新しい製造工程(組立又はシーケンスを含む)について、工程能力を検証し、工程管理に更にインプットを追加するために、工程調査を実施することが要求されている。
(2)工程調査の結果は、該当する場合には生産、計測、測定、検査、試験及び保全指示書としての仕様書と共に文書化することが要求されている。また、それらの文書には合否判定基準と同様に、製造の工程能力、信頼性、保全性及び稼働率に対する目標を含むことが要求されている。
(3)顧客のPPAPで規定された製造の工程能力又はパフォーマンスを維持することが要求されている。
(4)コントロールプラン及び工程フロー図が実行されることを確実にすることが要求され、それには次の規定事項の遵守を含めることが要求されている。
a)計測、測定技法
b)サンプリング計画
c)合否判定基準
d)合否判定基準が満たされない場合の対応計画
(5)治工具の変更、機械(製造設備)の修理のような工程の重大な出来事は記録することが要求されている。
(6)不安定又は能力不足のいずれかの特性に対しても、コントロールプランに記載された適切な対応計画を開始することが要求されている。
(7)対応計画には、製品の隔離及び全数検査を適宜含むことが要求されている。
(8)工程が安定し、必要な能力を有するようになることを保証するために、期限及び担当責任者を示した是正処置計画を作成することが要求されている。(顧客から要求がある場合には、顧客の承認が必要)
(9)工程変更の実効日付の記録を維持することが要求されている。

IATF guidance
参照願います。

8.2.4 製品の監視及び測定
a)製品要求事項が満たされていることを検証するために、製品の特性を監視し、測定することが要求されています。
b) 監視及び測定は、個別製品の実現の計画(7.1参照)に従って、製品実現の適切な段階で実施することが要求されています。
c)合否判定基準への適合の証拠を維持することが要求されています。
d)記録には、製品のリリース(次工程への引き渡しや出荷等)を正式に許可した人を明記すること(4.2.4参照)が要求されています。
e)個別製品の実現の計画(7.1参照)で決めたことが問題なく完了するまでは、製品のリリース(出荷)及びサービス提供を行ってはいけないことが要求されています。ただし、当該の権限をもつ人が承認した時や顧客が承認した場合にはこの限りではありません。

参考
内部及び外部の規定要求事項が満たされていることを監視するための製品パラメータを選択する時には、次の事項を導く製品特性のタイプを決定することが参考記載ではあるが、要求されていると捉える。
a)計測、測定の方式
b)適切な計測、測定手段
c)必要な能力及び技量(有資格者まで触れる)

8.2.4.1 寸法検査及び機能試験
(1)寸法検査、並びに適用される顧客材料規格及び性能規格に対する機能検査は、コントロールプランに規定・記載されたとおり、個々の製品について実施することが要求されている。
(2) また、その結果(記録)は、顧客要求があった場合、顧客がレビューのために利用出来るようにしておくことが要求されている。
(3)参考記載ではあるが、寸法検査は、設計記録に示されるすべての製品寸法を計測、測定することが但し書きとして示されている。

8.2.4.2 外観品目
顧客要求事項において、「外観品目」として指定される製品を製造する場合、次の事項を提供することが要求されている。
(1)評価のための照明を含む、適切な資源
(2)該当する場合、色、紋、光沢、金属性光沢、きめ/風合い、イメージの明瞭さ(DOI)のマスタ
(3)外観マスタ、並びに評価装置の保全及び管理
(4)外観評価要員が能力があり、資格認定されていることの検証
(5)その他、顧客固有の要求事項

弊社注記:外観品目とは、自動車の内装や外装部品のようなユーザの目に直接触れる場所に設置又は取り付けられる製品が主に対象となる。これはユーザからのクレームを一番受けやすい部分でもあるため、管理を強化するように要求されている。

8.3 不適合製品の管理
製品要求事項に適合しない製品が誤って(間違って)使用されたり、引き渡しされたり、出荷されたりすることを防止するために、それらの不適合製品等を識別し、管理することを確実にすることが要求されています。

不適合製品の処理に関する管理及びそれに関連する責任及び権限を”文書化された手順(例:不適合製品管理規定)”に規定することが要求されています。

組織は、次のいずれかの方法で、不適合製品を処理することが要求されています。
a)発見された不適合を除去するための処置をとること(例:手直し。内部処理では「修理」という用語は使いません)。
b)当該の権限をもつ者及び該当する場合には顧客が、特採(特別採用)によって、その使用、リリース(次工程への引き渡し)若しくは出荷、又は合格と判定することを正式に許可すること。
c)本来の意図された使用又は適用が出来ないような処置(廃棄も含む)をとること。

不適合の性質・内容の記録及び、不適合に対してとられた特採を含む処置の記録を維持すること(4.2.4参照)が要求されています。
不適合製品に対して修正・手直しを施した場合には、要求事項への適合を実証するための再検証を行うことが要求されています。

出荷後(引き渡し後)又は使用開始後に不適合製品が検出された場合には、組織は、その不適合による影響又は起り得る影響に対して適切な処置をとることが要求されています。とった処置の記録は維持しておくことが必要です。

8.3.1 不適合製品の管理ー補足
製品が特定できない、又は疑わしい製品は、不適合製品として識別・分類することが要求されている。(7.5.3参照)

8.3.2 手直し品の管理
再検査要求事項を含む手直し指示書は、適切な要員によって管理され、活用できるようにすることが要求されている。

8.3.3 顧客情報
不適合製品が出荷された場合には、顧客に対して速やかに通知することが要求されている。

8.3.4 顧客の特別採用
次の要求がされている。
(1)製品又は製造工程が現在顧客によって承認されているものと異なる場合は、常にその後の処理の前に、顧客の特別採用又は逸脱許可を得ること(PPAP参照)。
(2)認可の満了日又は数量の記録を維持すること。
(3)認可が満了する時には、元の又は新たな仕様書及び要求事項に適合していることを確実にすること。
(4)認可に基づいて出荷される製品は、各出荷容器上で適切に識別する(出来る)こと。
(5)これらは、購買製品(供給者)にも等しく適用すること。
(6)供給者からのあらゆる要請に対しては、顧客に提出する前に検証、確認及び合意をすること。

IATF guidance
参照願います。

8.4 データの分析
品質マネジメントシステムの適切性及び有効性を実証するため、また、品質マネジメントシステムの有効性の継続的な改善の可能性を評価するために、適切なデータを明確にし、それらのデータを収集し、分析することが要求されています。この中には、監視及び測定の結果から得られたデータ及びそれ以外の該当する情報源からのデータ及び顧客が要求し、指定するデータ等を含めることが必要になります。

データの分析によって、次の事項に関連する情報を提供することが要求されています。
a)顧客満足情報(8.2.1参照)
b)製品要求事項への適合性情報(7.2.1参照)
c)予防処置の機会を得ることを含む、プロセスと製品の特性及び傾向の情報
d)供給者に関する情報

8.4.1 データの分析及び使用
品質及び操業生産パフォーマンスの傾向を、目標に対する進捗度と比較し、次の事項を支援する活動につなげる(役立てる)ことが要求されている。
(1)顧客に関連する問題を速やかに解決するための優先順位の決定
(2)現状分析、意思決定及び長期計画策定のための主要な顧客に関連する傾向及び相互関係の判定
(3)使用状況から生じた製品情報について、タイムリーに報告するための情報システム
(4)参考記載として、データは競合会社のもの、及び/又は、ベンチマークと比較することを推奨している

IATF guidance
参照願います。

8.5 改善
8.5.1 継続的改善
組織は次の事項を通じて、品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善することが要求されています。
a)品質方針
b)品質目標
c)監査結果
d)データの分析
e)是正処置
f)予防処置
g)マネジメントレビュー

8.5.1.1 組織の継続的改善
組織として、継続的改善のためのプロセスを定めること(文書化)が要求されている。これは、ISO9004の附属書Bを参照。

IATF guidance
参照願います。

8.5.1.2 製造工程改善
製造工程改善は、製品特性及び製造工程のパラメータにおけるバラツキを管理し、低減することに継続的に焦点を合わせることが要求されている。

参考1
管理特性は、コントロールプランにて文書化される。すなわち、管理しなければならない特性はコントロールプランに記載して明確化しておくことが必要であることが要求されている。

参考2
製造工程が能力を有し、かつ、安定する。すなわち、製品特性が、予測可能で顧客要求事項を満たしている場合(満たした以降)に、継続的改善が行われることになる。言い換えれば、顧客要求事項を満たしていない場合には、不適合状態と判断され、この場合の処置は是正処置である。

IATF guidance
参照願います。

8.5.2 是正処置
組織は、再発防止のため、不適合の原因を除去する処置をとることが要求されています。是正処置は、発見された不適合のもつ影響に見合うものであることが要求されています。

次の事項に関する要求事項を規定するために”文書化された手順(例:是正処置管理規定)”を確立することが要求されています。
a)不適合(顧客からの苦情を含む)の内容確認
b)不適合の原因の特定
c)不適合の再発防止を確実にするための処置の必要性の評価
d)必要な処置の決定及び実施
e)とった処置の結果の記録(4.2.4参照)
f)是正処置において実施した活動(上記のa)〜e)の一連の活動)のレビュー

8.5.2.1 問題解決
(1)根本原因の特定及び除去を導く問題解決のための定められたプロセスをもつことが要求されている。
(2)顧客指定の書式がある場合には、それを使用することが要求されている。

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8.5.2.2 ポカヨケ(エラーの防止方法)
是正処置の中にポカヨケの方法を使用することが要求されている。

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8.5.2.3 是正処置の水平展開
不適合の原因を除去するために、実施された是正処置及び管理を、他の類似のプロセス又は製品に対して適用することが要求されている。

IATF guidance
参照願います。

8.5.2.4 受入拒絶製品(顧客から返却された製品)の試験/分析
次の要求がされている。
(1)顧客の製造工場、技術部門及び販売店等から受入を拒否・拒絶された製品(部品)を分析すること
(2)このプロセスのサイクルタイムを最小にすること
(3)分析の記録を保持、維持管理して要請に応じて提出すること
(4)分析を実施し、再発防止のための是正処置を開始すること
(5)参考として、分析に関連するサイクルタイムは、根本原因の決定、是正処置及び実施効果の確認と一致していることを推奨している。

IATF guidance
参照願います。


8.5.3 予防処置
組織は、起り得る不適合が発生することを防止するために、その原因を除去する処置を決めることが要求されています。予防処置は、起り得る問題の影響に見合ったものであることが要求されています。

次の事項に関する要求事項を規定するために”文書化された手順(例:予防処置管理規定)”を確立することが要求されています。
a)起り得る不適合及びその原因の特定
b)不適合の発生を予防するための処置の必要性の評価
c)必要な処置の決定及び実施
d)とった処置の結果の記録(4.2.4参照)。
e)予防処置において実施した活動(上記のa)〜d)の一連の活動)のレビュー



弊社コンサルティングについて
ISO/TS 16949規格要求事項及び関連する要求事項等に従って、貴社組織固有の品質マネジメントシステムの構築を行い、活動しながら品質マネジメントシステムを改善し、より良い「ISO/TS 16949品質マネジメントシステム」の維持管理とそれらに基づいた活動方法をご提供させて戴きます。これからISO/TS 16949を構築しようとお考えの各位様はお気軽に「お問い合わせ」及び/又は「お見積もり」請求を下さるよう、重ねてお願い申し上げます。



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