(注記)本項目における内容は、規格名称及び用語等を除いて弊社固有の解釈記述によるものです。無断利用、複写、転用、引用等は一切お断り申し上げます。

ISO 14971(JIS T 14971)規格とは
ISO13485(JIS Q 13485)規格及び「医療機器の製造管理及び品質管理に関する省令(医療機器QMS省令)」においては、リスクマネジメントの適用・活動が必須となっており、「適用除外」は出来ません。ここでは、ISO14971(JIS T 14971)規格で要求されている「医療機器リスクマネジメント」とはどのようなものかを、簡単ではございますが解説します。なお、本規格は2007年3月1日にISO 14971:2007として改訂発行されました。

どこで要求されているか
ISO 13485(JIS Q 13485)規格及び医療機器QMS省令では次の要求がなされています。
(1)「7.1 製品実現の計画」において「組織は、製品実現全体をとおして、リスクマネジメントのための文書化された要求事項を確立すること」
(2)「7.3.2 設計・開発へのインプット」において、リスクマネジメントのアウトプットを「設計・開発へのインプット」とする。

このことから「設計・開発」プロセスにおいて、リスクマネジメント活動の結果を取入れて活動しなければならないことは容易に理解することが出来るのですが、忘れてはならないのは「製品実現全体をとおして・・・」という(1)における要求部分です。「製品実現全体をとおして・・・」ということは、組織(貴社)の営業活動から設計開発、製品製造、検査測定、製品納入、付帯サービス及び市販後の調査に至るすべての活動に適用されることになりますので、プロセスフローなどに明確に反映し、プロセス定義書等でそれらに関するインプットやアウトプット等を詳細に定めておくことを推奨致します。

設計・開発が適用除外される医療機器にあっても、製品実現全体をとおしてリスクマネジメントのための文書化された要求事項を確立することが要求されていることに着目してください。これらの活動は、ISO9001等において活動しておられるDFMEA及びPFMEAと似通った考え方がございます。

医療機器リスクマネジメントとは
医療機器には何らかのリスク(危害の潜在的な源)が存在しています。何らかのリスクを抱えた状態で市場へ出荷され、事故が起る前に予防策として、あらゆるリスクを検出し、それによって消費者(患者)に危害を及ぼさないようにするのがこの活動の主目的でもあり、市場からの製品(類似製品を含む)に対するフィードバック情報も重要な要素となります。この活動はPDCAを基本としています。

活動手順の代表的な事例(代表的なプロセス・フェーズによる活動を記載。なお、記載を省略した部分があります。)
3. リスクマネジメントの一般的要求事項
3.4 リスクマネジメント計画

4. リスク分析プロセス
4.1 リスク分析の開始
4.2 意図する医療機器(付属品を含む)の使用特質の明確化を行う。
4.3 既知叉は予見できるハザードの特定を行う。
4.4 個々の危険状態のリスクの推定を行う。

5. リスク評価プロセス(附属書D.4参照)
リスク低減の必要性の検討・評価(出来ない無い場合、6.7のハザード考慮の確認)

6. リスクコントロール・プロセス
6.1 リスク低減実施計画策定等
6.2 リスクコントロール手段の分析
(注記)
・設計安全(「7.3 設計開発」を適用している場合)
・製造工程安全(特殊特性等の製造工程特性を含む:アウトソースへの適用に注意)
6.3 リスクコントロール手段の実施
6.4 残留リスクの評価
6.5 リスクと効用の分析
6.6 リスクコントロール手段から生じる影響や新たなリスク調査
6.7 リスクコントロールのコンプレテンス(完全性)検証

7. 残留リスクの受容性の総合評価プロセス
8. リスクマネジメント報告書の作成(リスクマネジメントプロセスの見直しプロセス)
9. 製造中及び製造後の情報(情報収集及び見直しプロセス)

ISO 14971規格要求事項
序文
1.適用範囲
2.用語及び定義
3.リスクマネジメントの一般的要求事項
4.リスク分析
5.リスク評価
6.リスクコントロール
7.全体的な残留リスクの受容性の評価
8.リスクマネジメント報告書
9.製造中及び製造後の情報
附属書AからJ(参考)

リスクマネジメントの具体的な展開
(1)品質マニュアルに組込む
リスクマネジメント手順を、ISO13485における品質マニュアル(QMS)に、2次文書参照方式として、組込む方法があります。これは組織の全プロセスにおいて、リスクマネジメント活動を明確にしておくことが必要です。

(2)リスクマネジメント・マニュアルを作成する
本社が製造販売業、工場が製造業というような位置付けにあるような場合、品質マニュアルの適用範囲にもよりますが、リスクマネジメントシステムとして独立したマニュアルを作成して活動する方法もあります。これは組織の業態にもよるかと思われます。

活動対象
リスクマネジメントの活動対象範囲は、組織が製造する製品すべてが対象となります。少量多品種であってもその一部を適用除外することは出来ません。また、付属品等も適用対象になります。



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