(注記)本項目における内容は、規格名称及び用語等を除いて弊社固有の解釈記述によるものです。無断利用、複写、転用、引用等は一切お断り申し上げます。

ISO 14001規格とは
現在において多くの顧客や消費者は、ISO9001認証取得が国際的に認知されたISO規格に基づく製品・企業のパスポートであることをよく知っています。それに続く関心というのは、「この品物や商品は環境に配慮した工場で生産・製造され、かつ商品自体が環境に優しいのだろうか?」ということでしょう。多くの国で産業活動に於ける環境影響がどのように配慮され、管理されているかということは、製品の品質同様に重大な関心事となっています。また、2004年に「京都議定書」が採択され、2008年から2012年の間に日本は対象となる排出ガスの6%削減を義務付けられており、組織各位様にとっても大きな問題となっています。環境保護の重要性は今や多くの国々において、また個々の個人においてもよく認識されていて、何らかの環境に対する行動が必要であることが全世界の共通認識となりました。これらがトリガーとなって、1992年リオの環境サミットが開催され、その時に世界的な環境マネジメントシステム(Environmental Management System)略してEMSの開発と運用が合意され今のISO14000規格シリーズの生成要因となった次第です。


ISO 14001規格の必要性について
最近は、「グリーン購入法」に従って、製品やサービスを購買するときに、購買先企業の環境適合度合いを要求する「グリーン調達ガイドライン」を示す企業や自治体が多くなってきました。企業の環境対応は社会的要請になりつつあり、環境問題に背を向けていては企業経営が成り立たない状況になってきています。同業者が積極的に環境対応している中で、自社だけ遅れをとることはできません。先進的企業では、「決算報告書」と同様に「環境報告書」を公表して社会的な認知を求めるところも出てきております。ISO14001の導入では、次のようなメリット、デメリットを踏まえ検討していく必要があります。

ISO14001導入のメリット

(1) 環境コストの削減効果
ISO14001の導入により、資源、エネルギーの効率的な利用、リサイクルよる処理コストの減少など費用の削減効果が見込める。
ISO14001は経営者が環境方針を定めることになっています。そういう点から経営トップが具体的な方針を立てることにより、それらの費用削減効果を出すことが出来るという訳です。大切なことは環境パフォーマンスの改善を経営改善に反映させるという考え方を持つことが重要です。
(2) 環境リスクの回避
ISO14001の導入により、従業員の問題意識も高くなっており、体制整備も進んでいることから事故を未然に防止する可能性が高い。これは潜在的なリスクを回避するということです。このメリットの定量化表現は難しいのですが、莫大な損害賠償等のリスク回避には効果を発揮するものと思われます。
(3) 企業イメージの向上
企業の環境問題に対する取り組み姿勢が明確になり、イメージアップを図ることができる。また、環境問題について関心のある顧客や地域社会との関係に好影響を与えることができる。特に俗称「3K」と呼ばれる業界の組織各位にとっては強力な営業戦略となることが多いようです。
(4) 商取引上での優位性、必要性
欧州企業からの取引条件として、品質関連の規格であるISO9001の取得が示され、未取得の日本企業の受注に影響が出たことがありました。同様に、ISO14001規格においても国内の官庁や民間組織において、同様の動きが出てきており、取得企業が増加しています。

ISO14001導入のデメリット

(1) 文書化、システム化に伴なう労力の増加
ISO14001では、作業等について文書化、システム化が義務づけられており、それらにかかる労力はかなり大きなものとなります。
(2) システムの導入コスト、維持に伴なうコスト
ISO14001の取得に関しては、企業規模、業種等によって違いはあるものの、設備などの改善・改修に対して高額な費用が掛かるといわれています。また、通常は取得に際し、コンサルタントを利用・活用することが多く、その費用が別途必要になります。さらに、内部担当者の人件費や事務関係費用、初回登録審査、維持審査、更新審査の費用も発生します。
ただし、省エネ、リサイクルによるコスト削減効果と相殺した結果、コスト削減効果の方が大きかった事例が多くあり、必ずしも負担増になるとは限りません。本システムを運用し、2年間でのコスト削減実施にて認証取得費用をペイした企業様も多いことを付け加えておきます。

現在 、小規模事業所向けの「エコアクション21」というISO14001の簡易版のようなシステムが「財団法人 地球環境戦略研究機関 持続性センター」において発表されていますので、それを構築・導入することも選択肢のひとつかもしれません。弊社はそれを推奨することも否定することも致しません。

ISO14001は、排水基準や廃棄物の量などの具体的な環境基準への改善を求めているものではありません。求められているものは、自社が及ぼしている環境への影響を調査し、影響の大きいものに対して自主的な改善目標を設定し、環境レベルを改善していくことです。具体的な活動内容は、企業各位の自主的な判断に任されています。これから取得を目指す企業各位がこの点を理解・実行し、粘り強い環境対策を継続しながら環境保護と企業経営の改善を進めることが望ましいといえます。 以下に環境関連の主たる法令を記載しますので御参考になさって下さい。

環境関連の法律(都道府県の条令や政令を除く)
1、環境法令全般
・環境基本法 ・環境省設置法
・環境事業団法 ・環境影響評価法
2、産業廃棄物及びリサイクルに関する法律
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律 ・産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律
・特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律 ・循環型社会形成推進基本法
・グリーン購入法 ・資源有効利用促進法
・容器包装リサイクル法 ・家電リサイクル法
・食品リサイクル法 ・建設リサイクル法
・自動車リサイクル法  
3、地球環境及び生態系に関する法律
・地球温暖化対策の推進に関する法律 ・特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律
・フロン回収破壊法 ・排他的経済水域及び大陸棚に関する法律
・南極地域の環境の保護に関する法律 ・自然環境保全法
・自然再生推進法 ・自然公園法
・森林法 ・温泉法
・鳥獣保護法 ・絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律
・動物の愛護及び管理に関する法律  
4、エネルギー及び交通に関する法律
・電気事業法 ・ガス事業法
・RPS法 ・原子力基本法
・省エネ法 ・エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法
・新エネ法 ・石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律(代エネ法)
・道路運送車両法 ・道路運送法
5、大気に関する法律
・大気汚染防止法 ・自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法
・スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律  
6、水に関する法律
・水質汚濁防止法 ・水道法
・工業用水法 ・工業用水道事業法
・建築物用地下水の採取の規則に関する法律 ・下水道法
・浄化槽法 ・特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法
・河川法 ・湖沼水質保全特別措置法
・海岸法 ・海洋汚染防止法
・広域臨海環境整備センター法 ・瀬戸内海環境保全特別措置法
   
7、化学物質に関する法律
・化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 ・特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)
・ダイオキシン類対策特別措置法 ・ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法
・農薬取締法 ・毒物及び劇物取締法
・放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律 ・核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
・有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律  
8、その他の公害に関する法律
・公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律 ・公害防止事業費事業者負担法
・公害紛争処理法 ・公害等調整委員会設置法
・人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律 ・公害健康被害の補償等に関する法律
・水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法 ・悪臭防止法
・振動規制法 ・騒音規制法
・公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律 ・特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法
・土壌汚染対策法 ・農用地の土壌の汚染防止等に関する法律
   
9、土地の利用に関する法律
・都市計画法 ・幹線道路の沿道の整備に関する法律
・土地改良法 ・農地法
・農業振興地域の整備に関する法律 ・生産緑地法
・都市公園法 ・都市緑地保全法
・都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律 ・首都圏近郊緑地保全法
・近畿圏の保全区域の整備に関する法律 ・古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法
   
10、その他の環境に関する法律
・防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律 ・鉱山保安法
・鉱業法 ・採石法
・文化財保護法  



RoHS指令について

RoHS(ロス)指令とは、Restriction on Hazardous Substancesの略称であり、電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する事項を定めたもので、製品の生産から処分に至る全ての段階で、環境や人の健康に及ぼす危険を最小化する事を目的として欧州議会で承認された条約です。この規制は2006年7月1日から適用されます。

規制物資
内容
該当品目(使用禁止物資) 鉛(Pb)、水銀(Hg)、カドミウム(Cd)、六価クロム(Cr6+)、ポリ臭化ビフェニール(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)
対象製品 家電製品、情報通信機器、AV機器、照明、電動工具、おもちゃ、遊具、運道具、 自動販売機、電球、蛍光管など
使用禁止物資とその主な用途の事例
(1)鉛:鉛はんだ、ガラス(レンズ)、塗料、半導体など
(2)水銀:電池、電球類、塗料、ゴムなど
(3)カドミウム:ニッカド電池、プラスティック部品など
(4)六価クロム:匡体、ネジ、シャフト、ナットなど
(5)PBB(ポリ臭化ビフェニール):プリント基板、樹脂部材など
(6)PBDE(ポリ臭化ジフェニールエーテル):プリント基板、樹脂部材など

企業各位におかれては、アウトソース(供給者や下請負業者)先での管理及び自社内における設計・開発及び購買業務などにおいて十分注意する必要があります。

Eup指令について

Eup指令とは、EU Directive on Eco Design of Energy-using Productsの略称で、主として電気機器製品(家電、事務機器、電気式暖房・温水器等)に適用される規制です。それらの製造業者は、製品の全ライフサイクルを通じて、環境影響を考慮(評価)しなければなりません。また、本指令で要求される事項を満たし、適合宣言書及びCEマーキングの貼付が求められています。詳細につきましては、下記サイト(pdf資料)を参照して下さい。
・EU Directive on Eco Design of Energy-using Products
・経済産業省発表資料
・ジェトロ資料
・産業環境管理協会 DFE support(試行版)

EU向けに製品を製造されている各位様は、ISO14001の構築・運用は勿論ですが、このEuP指令における要求事項を盛込んだEMSの構築及び運用を実施し、適合性評価(第三者審査登録機関)による証明が必要になりますので御注意下さい。


ISO14001:2004 要求事項と解説

ISO 14001のファミリー規格としては次のような規格があります。
すべてを適用しなければならないという事ではございませんが、構築及び運用又は継続的改善等の指針として参考になりますのでご一読を推奨致します。なお、規格の版は改訂されている場合がございますので、御確認をお願い申し上げます。
ISO 14004:2004「Environmental management systems -- General guidelines on principles, systems and support techniques(環境マネジメントシステム−原則,システム及び支援技法の一般指針)」
ISO 14015:2001「Environmental management -- Environmental assessment of sites and organizations (EASO)(環境マネジメント−用地及び組織の環境アセスメント(EASO))」
ISO 14021:1999「Environmental labels and declarations -- Self-declared environmental claims (Type II environmental labelling)(環境ラベル及び宣言−自己宣言による環境主張(タイプII環境ラベリング) )」
ISO 14024:1999「Environmental labels and declarations -- Type I environmental labelling -- Principles and procedures(環境ラベル及び環境宣言−タイプI 環境ラベリング−原則及び手順)」
ISO 14025:2006「Environmental labels and declarations -- Type III environmental declarations -- Principles and procedures(環境ラベル及び宣言−タイプlll環境宣言−原則及び手順)」
ISO 14031:1999「Environmental management -- Environmental performance evaluation -- Guidelines(環境マネジメント−環境パフォーマンス評価−指針)」
ISO 14040:2006「Environmental management -- Life cycle assessment -- Principles and framework(環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−原則及び枠組み)」
ISO 14041:1998「Environmental management -- Life cycle assessment -- Goal and scope definition and inventory analysis(環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−目的及び範囲の定義並びにインベントリ分析)」
ISO 14042:2000「Environmental management -- Life cycle assessment -- Life cycle impact assessment(環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−ライフサイクル影響評価)」
ISO 14043:2000「Environmental management -- Life cycle assessment -- Life cycle interpretation(環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−ライフサイクル解釈)」
ISO 14044:2006「Environmental management -- Life cycle assessment -- Requirements and guidelines(環境マネジメント−ライフサイクルアセスメント−要求事項及び指針)」
ISO 14050:2002「Environmental management -- Vocabulary(環境マネジメント−用語)」
ISO 14063:2006「Environmental management -- Environmental communication -- Guidelines and examples(環境マネジメントシステム−環境コミュニケーション−指針及び事例)」
ISO/TR 14032:1999「Environmental management -- Examples of environmental performance evaluation (EPE)(環境マネジメント−環境パフォーマンス評価(EPE)の実施例)」
ISO/TR 14047:2003「Environmental management -- Life cycle impact assessment -- Examples of application of ISO 14042(環境マネジメント−ライフサイクルインパクトアセスメント−ISO 14042の適用の例)
ISO/TR 14062:2002「Environmental management - Integrating environmental aspects into product design and development(境マネジメント−環境適合設計)」


弊社コンサルティングについて
これからISO 14001を構築しようとお考えの各位様はお気軽に「お問い合わせ」及び/又は「お見積もり」請求を下さるよう、重ねてお願い申し上げます。

Copyright(C)2006 Takeuchi ISO Technical Office,INC. All Rihgts Reserved.