食の安全
【Macallan Whisky 30year(貴重品ですので飲まずに眺めるだけです)】
この所、朝夕は少しだけですが涼しくなってきました。南の海では台風13号(SINLAKU)も発生し、これからは台風シーズンを迎えることにもなります。そんな中、昨年から餅、餃子、ウナギ等・・偽装表示問題等の食の安全に関する問題や懸念が世間を騒がせていますが、今回露呈した”三笠フーズ”による事故米の他社への売却(焼酎や日本酒への醸造等に使用)には更に驚いたというか、呆れてしまいました。個人的にお酒が好きで、仕事の後に飲むのは唯一の楽しみと申し上げても過言ではありません。また、それは小職だけでなく、多くの方々が仕事の後の”一杯”を楽しみにしていらっしゃることと存じます。
それなのに、毒性のある米(事故米)を焼酎等の醸造会社等へ売却するなど、常識を外れてしまっている企業の活動に対して怒りを隠せません。また、全国の焼酎・日本酒等のファンや居酒屋さん等、各位様を失望させてしまうような行為は社会人としても失格です。
記者会見によれば「会社経営が苦しかった」そうですが、そんな主観的(自己中心的)な考え方をする社長さんは、経営者としてだけではなく、人間(男)としても失格であると、場末の小さな企業主ではありますが小職はそのように考えます。会社経営が苦しいので、商品・製品を偽装して販売し、利益をあげて、自分だけは助かっても、他人(他の組織各位)はどうでもよいと言う主観的な考え方及び行動は経営者としても”不適合”です。
今まで良識を持ってお付き合いし、原材料等の仕入れを行ってきた各酒造メーカーさんも、今回の件ではさぞかし落胆・憤慨されたことかと存じますが、こんな世の中になってしまえば、どのような原材料でも疑うことを前提にした醸造に関するプロセスを適用しなければならないようです。それには、やはり「受入検査」の重要性が挙げられます。
通常、受入検査はその特性(FMEA等の検証結果)に応じて重要な検査や試験を要する物から、そうではなく、外観等だけで十分という内容のものまであります。今回の醸造用の原材料であるお米に関しては、成分分析を事前に定められたサンプリング
手法等にて試験機関または自社の試験所で実施する必要があり、それにはコストが発生することになります。また、仕入れ先との契約により、調達(注文)製品に関しては、認定された試験所における試験結果報告書を添付することでの納入というようなプロセスの採用が適切かもしれません。
いずれにしましても、自社を守り、そして消費者各位様に信頼される製品供給を行うのであれば、最低限それくらいの検査・試験プロセスの必要性が出てくることになります。また、製品出荷前に、貯蔵タンク毎(ロット毎)に製品試験を行い、検査・試験数値が基準値内にあることを確認する必要があり、更に完成した製品における適宜抜取検査の必要性まで考えなければならないようです。また、それらに関するトレーサビリティの確立等、ISO9001
及び、叉はISO22000
等における要求事項を満たすようなプロセスの構築及び活動が必要不可欠になることは間違いないでしょう。
以前は、そのような規格に沿った活動を行わなくても、お互いの信頼関係で結ばれた絆でより良い製品製造及び供給を行ってきた経緯があると存じますが、故意に複雑な流通システムを構築し、偽装するという悪意に満ちたことがなされ、規定以外の訳のわからない原材料が何時入ってくるとも限らないことから、リスク回避のための予防処置的なシステムを構築・活動し、それらに備えることも必要なのかもしれません。一方で、行政や監督官庁としても、このような食品・飲料等に関する不正工作、偽装等の違反行為に関して、更に厳しい法的措置(刑事罰)への適用を個人として、消費者として、望みます。何だか、食品・飲料業界は各位様が自分自身で首を絞めているような気がしてなりません。これでは真剣に、真摯に製造等に取組んでいらっしゃる方々があまりにも惨めです。これらの不祥事を根拠として、食品製造組織各位様(サプライチェーン全て)に対し、ISO9001やISO22000のような品質マネジメントシステムの適用が法的に適用される可能性が出てくることも想定しておく必要があるようです。
参考リンク
1)非食用の事故米穀の不正規流通米の回収について(第2報)
2)アフラトキシンB1
3)メタミドホス
【業界での事例】
外部試験所における不適切な試験成績証明書の発行事例
不適切な試験成績証明書の発行