McIntosh MC2301

【McIntosh MC2301:6月にRelease予定らしい・・】
米国McIntosh社から新たなパワーアンプが発表されていることを知った。それはMC2301というVacuum Tube Monoblock Power Amplifierである。仕様はと言えば、モノラル・アンプなので、ステレオでの使用時には勿論2台必要になる。前段のバッファー・アンプ部分や位相反転回路にはどうやら石が使われているようだが、電圧増幅には12AT7が2本、電力増幅にはKT-88が8本使用されている。モノラルなのに8本!?という贅沢な仕様となっている。
その中身であるが、KT-88をプッシュプル化したと思われるモジュールが4回路(4ブロック)で構成されており、前段に12AT7をそれぞれドライブとして割り当てている(12AT7は双三極管)。KT-88のプッシュプル・ブロックからの出力を1個のアウトプット・トランスへ入力している。これは言い換えれば、同社の限定製品であるMC2000や現行製品MC2102をモノラル接続仕様としたようなものだ。出力は300Wとオーディオ真空管アンプの類いでは稀な種類かもしれないが、それ相当のS/N比向上を狙ったのではないかと思われる。
ここまでくると、使用するスピーカーの能率にもよるかもしれないが、能率の比較的良くない現代のスピーカーも楽々とドライブ出来るだろう。しかし、300W出力ともなれば消費電力も相当なものになる。概算だが、300W出力ということは、能率を50%と仮定しても入力には600Wの電力が必要となるために、およそ6Aという電流が必要になる(ステレオ使用時には12A)。スペック(product_manual)を見ると100V仕様で6.6Aという値が掲載されているが、まあ一般家庭ではAC専用線を設置しない限り、これを2台使用してステレオで使いこなすにはちょっと難しいかもしれない。重量(質量)は、52.6Kg。梱包状態では63.9Kgとあり、いとも簡単に持ち運び出来る代物ではなさそうだ。
KT-88のプレートには、500VDCが供給されており、球のスペックとしては条件許容範囲内かもしれないが、真空管の寿命に影響を与えそうな印象を受けるが、これはあくまで個人的な意見。それにしても、何故、今更このような真空管アンプの発表なのか?という疑問がある。
国産のオーディオアンプ・メーカーも多くの真空管アンプを発表しているが、大手メーカーでは真空管アンプを発表しているのはTEAC”ESOTERIC”のA100という機種くらいのもの。以前は多くのメジャーなメーカーさんが複数の真空管アンプを製造し、その技や音、そしてデザイン等を競っていたが、今や完全な石の世界になってしまい、真空管アンプを製造販売している企業は極端に少ないのが寂しい限りだ。


